──「無冠帝」の生みの親・菊水酒造のある新潟県新発田市。ここで生まれ、高校を卒業するまでの時間をこの地で過ごした三田村邦彦さんは、故郷をこよなく愛し、そして、旨い酒を愛することでも知られている。

「お酒は好きで、毎日、飲みます。日本酒に限らず、ビール、ワイン、バーボン……。その日の気分にぴったり合うお酒をいただくのが、何よりの贅沢ですね。僕の場合は、その日選んだ酒に合うつまみも自分で作ります。料理が好きだから、つまみを作っている時間もまた、楽しんでますよ。日本酒の場合は、塩をちょっとなめながら飲むと酒本来の味が際立っていちばん旨いんだけど、いつもそれだとお腹が満たされませんからね(笑)」
三田村様ご愛用の酒器 ──自宅でお酒をいただくときは、酒器にもこだわる。

「旨い酒をより美味しく飲むには、器の存在が大きいですよね。日本酒の場合なら、冷酒のときはこのグラス、熱燗にはこのお猪口と、決まったものがあります。気に入りの器で酒を飲むと、精神的な満足感も得られるけど、いい器には酒をより旨くする効果があるんですよ。実は先日も、陶器のビアグラスを購入したんです。これが、また、すごくよくてね(笑)。最初は見た目に惹かれて手に取ったぐらいですから、デザインももちろんいい。その上、普通のグラスとは比べ物にならないほど、きめ細やかでクリーミーな泡が立つ。もう、他のグラスでビールは飲めなくなったぐらいですから、やはり、いい器との出会いは大切にしたいですね」

──料理屋などで日本酒をいただくときには、新潟県で生まれた酒との出会いが、何よりの楽しみだ。

「僕は新潟びいきなものでね(笑)。メニューを見ていても、新潟県という文字につい目が行ってしまうんです。それに身内びいきなだけではなく、米どころの新潟県で作られた酒は、やっぱり旨いんですよね」
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