──年10回ペースで開いている個展では、平面で書を表現するだけではなく、鉄のオブジェに光を当てて書を映し出すなど、独自の世界を切り開いている。こうして自分を表現できるようになったのも、すべては、自分と向き合ったあの3カ月間があったからこそだ。
「いろいろ考えて、試してみてわかったのは、人はそう簡単に変われるものではない、ということ。考えても変わらないし、自分で決めたことをちょっとずつやってみても、大きくは変われない。一番手っ取り早いなぁと感じたのは、自分に関わる環境を変えてみることです。私の場合ですと、TVを持つのをやめたり、書家の雅号を名乗ったことでも世界が大きく変わり、さっきもお話しした通り、住む場所を変えることで、自分も付属的に変わることができた。
自分の内側を見つめることで、やってきている流れや風を感じ素直に乗れそうなら、ちょっと勇気を出して新しい自分に合う新しい環境を用意してあげる。すると思いがけない人生からの素敵な贈り物を受け取ることができるような気がします」

──1日の中で、人生の中で、長い時間を費やす仕事だからこそ、自分の幸せの価値観に合った素敵な時間を過ごせる道を選び取りたい。
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